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第65回全国国保地域医療学会の開催にあたって
和歌山県国民健康保険団体連合会 理事長
中芝 正幸
このたび、第65回全国国保地域医療学会を和歌山県で開催するにあたり、一言ごあいさつ申し上げます。
国民健康保険診療施設の皆様方におかれましては、保健・医療・介護・福祉を一体的に提供する地域包括ケアシステムの拠点として、地域医療の最前線でご尽力を賜り、心より感謝申し上げます。
さて、国民健康保険制度は、国民皆保険制度の根幹として地域住民の健康保持・増進に貢献してまいりましたが、人口減少による保険料(税)の収入低下、高齢化や医療技術の高度化に伴う医療費の増加により、厳しい財政状況が続いております。
一方で、国民健康保険制度の一翼を担う国民健康保険診療施設においては、少子化や過疎化、地域偏在による医師・看護師不足など厳しい状況の中で、住民の生活を守り、年齢を重ねても住み慣れた地域で自分らしく暮らしていける地域社会の形成に向けて重要な役割を担っております。
本学会では、特に人口減少が著しい和歌山県から、地域包括ケアシステム構築の重要性を発信していこうという趣旨から、メインテーマを「人口減少地域の生活を守る地域包括医療・ケア」とし、サブテーマの「よみがえりの地 紀州・熊野から」は、古くからよみがえりの地(人生のたびだちの地)として信仰されてきた紀州・熊野の地で、国保診療施設関係者が活発な議論を交わすことにより、地域包括ケアのさらなる推進の足掛かりとしたいという意味を込めました。
ここ和歌山県は、豊かな自然と歴史が調和する心に残る地域です。和歌山県の象徴とも言える高野山は、世界遺産にも登録されている歴史と文化が詰まった場所であり、日本の仏教の中心地として多くの寺院や宿坊が立ち並び、心を癒す静寂と美しい景観が広がっています。その高野山への旅の途中に、ぜひお立ち寄りいただきたいのが根来寺です。この寺院は真言宗の中でも特に独自の歴史を持ち、かつて学問と修行の場として栄えました。その壮大な本堂や美しい庭園は見る者を魅了します。一方で、家族連れにも大人気のアドベンチャーワールドは、動物園、水族館、遊園地が一体となったテーマパークであり、パンダやイルカショー、スリリングなアトラクションが楽しめます。他にも、みかんや梅干し、しょうゆなど、和歌山県ならではの特産品や、新鮮な海産物や和歌山ラーメン、また最近売り出し中の黒あわび茸も絶品です。是非この機会に和歌山の魅力を満喫していただけたらと思います。
結びに、本学会の開催にあたり多大なるお力添えをいただいております関係者の皆様に深く感謝を申し上げますとともに、実り多き有意義な学会となりますことを祈念いたしましてあいさつとさせていただきます。